令和6年第1回渋谷区議会定例会が2月20日に開催され、幅広い議題が取り上げられた。まず、長谷部区長が出席し、令和6年度の予算案を提案した。予算は1,223億1,900万円で、前年比8.6%の増加となる。この予算案には、防災や福祉、教育施策に関する新しい取り組みが盛り込まれている。
特に注目されたのは、防災対策に関する話題である。長谷部区長は、能登半島地震の影響を受けた地域への支援について言及し、義援金の受付や職員派遣を進めていると話した。また、地域防災計画の見直しも強調し、区民の防災意識の向上が重要であるとした。
次に、条例の改正についての議論が行われ、渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例が2つの新条例に分割されることが発表された。これにより、多様性を認め合う社会の基本理念と、具体的な人権尊重の施策に関する内容がより明確になる。
福祉施策に関しては、「敬老金贈呈事業」の見直しが提案され、高齢者の見守り機能を維持しつつ、持続可能な施策に改善する旨が述べられた。区長は、地域の協力を求め、民生委員との意見交換を通じて、改正案の周知を図る考えを示した。
さらに、教育の分野では、未来の学校プロジェクトに基づく新しい施設整備案が話題に上がった。広尾中学校や松濤中学校の建替えに際し、プールの設置について異なる見解があり、地域住民の使用意向が重視されている。その際、学区外からの生徒も自転車通学を許可する方向が検討されている。
地域住民との対話や、意見聴取の必要性については、多くの議員が指摘し、行政の透明性強化が求められている。特に、玉川上水旧水路緑道の再整備や、猿楽橋の架け替え計画についても、住民の理解を得るために、さらなる説明や意見収集が対策課題として浮上している。
また、自主防災組織の強化や、地域訓練への参加を促進する方策も議論され、地域全体で防災力を高める取り組みの重要性が言及された。区民が安心して暮らせるよう、防災体制の充実が求められている。
最後に、職員数や地域団体との連携強化の必要性が述べられ、渋谷区が抱える課題に対して、引き続き議会や区民の意見を反映させながら、しっかりと対応していく姿勢が示された。今後の議会の動向にも注目が集まる。