令和5年6月7日に開催された渋谷区議会の定例会では、様々な重要課題が議論された。
特に、障がい者福祉に関しては、薬丸義人議員が南部地域での児童発達支援・放課後等デイサービスの不足を指摘した。区長の長谷部健氏は、新たな事業所の開設が進行中であることを伝えたが、地域のバランスに課題があることを認めた。家賃助成の検討についても言及し、政府の助成金制度を利用した地域間の施策の強化が必要であると指摘した。
また、障がい者アートの展示促進についても話題となった。薬丸議員が提案した「未来の学校プロジェクト」でのアート展示の可能性に対し、区長は関心を示し、今後の展開を期待するとの考えを示した。これにより、多くの障がい者の作品が地域社会で評価される場が増えることが期待される。
高齢者福祉に関して、吉崎いずみ議員は高齢者見守り事業にセンサー技術を導入することを提案した。これに対し、長谷部区長は現在、様々な技術の導入事例を調査していると回答した。さらに、シニアテーブルの取り組み拡大や、敬老金の贈呈方法の見直しについても対話が続けられている。
教育分野では、英語教育の充実が強調された。松濤中学校などの重点校での実践を全校に広める必要性があると認識されており、教育長は既存プログラムの効果を評価し、全校での英語教育強化を推進する意向を示した。また、性的マイノリティに関する教育の重要性も取り上げられ、性教育において専門家を招いた学習の機会を設けることが求められた。
まちづくりにおいては、安全・安心のまちづくりに向け、客引き禁止条例の改正や危険建築物への対策について議論された。最近の犯罪発生状況を踏まえ、より厳格な対策を取るべきとの意見が出た。長谷部区長は、市民の安全を守るため努力していると強調した。
投票関連の議題では、期日前投票所の設置場所の見直しについても議論が進んだ。若者の投票率向上に向けた新たな提案が求められ、一層の市民参加を促進する方針が示された。
最後に、ペット防災についても意見が寄せられ、災害時のペットの扱いや避難所の準備について検討が求められた。こうした問題に取り組むことで、渋谷区は包括的な地域づくりを目指している。