令和3年第3回渋谷区議会定例会が、10月13日に開催された。区議会では、経営状況や決算の報告などが重点的に議題に上がり、議員による意見が飛び交った。
まず、長谷部健区長が報告した内容では、渋谷区の健全化判断比率や各種公社の経営状況について、詳細な説明が行われた。「報告第7号は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき健全化判断比率を算定した」とした長谷部区長の説明に続いて、各報告が行われた。
一部の議員からは、各公社の経営状況について懸念の声が上がった。例えば、鈴木建邦議員は「株式会社渋谷サービス公社の経営状況に対して、我々は厳しい視点で見守る必要がある」と述べ、透明性の確保を求めた。さらに、経済回復に向けた見解を求める意見もあった。
続いて、議案第33号、渋谷区手数料条例の一部を改正する条例が審議に上がり、可決された。この改正は、デジタル化の進展に伴うもので、「この条例改正は、個人情報保護の観点から重要なものである」と斉藤貴之総務委員長が強調した。
また、議案第35号と第36号に関しても、旅館業法施行条例と公衆浴場法施行条例の一部改正が全員一致で可決された。沢島英隆福祉保健委員長は「宿泊者や利用者の衛生面を考慮し、より良い環境の提供に繋がる」と述べた。
後半では、令和2年度の決算案に関する報告が行われた。特別委員会より提出された認定第1号から第4号までの決算報告は、相次いで可決された。特に、一般会計歳入歳出決算に関して、下嶋倫朗委員が「厳しい状況下でも一定の成果を上げた」と評価した。
しかし一方で、反対意見も存在した。苫孝二議員は、「特にコロナ禍における負担増や福祉の切捨てが問題で、区民の生活に支障をきたしている」と主張した。
さらに、羽田新ルートに関する請願が上程され、「国に対し運用停止を求める請願」が全員一致で採択された。木村正義委員は「区民の意見を反映し、都市空間の安全を守ることが最優先」と述べ、運用停止に向けた厳しい姿勢を示した。
最後に、障害者虐待が委ねられる法律の改正を求める意見書も提出され、賛成の意見が大多数を占めた。丸山高司議員が「虐待防止に向けて、徹底した取り組みを要望する」と述べ、今後の制度整備に期待を寄せた。
全体として、渋谷区議会は経営責任の強化と区民の福祉向上に向けた方針が示された会議となった。