令和3年12月10日に志木市議会で行われた定例会では、教育や福祉に関する重要なテーマが議論された。特に、水谷利美議員が提起した子ども医療費の助成制度についての質問が大きな注目を集めた。
水谷議員は、税完納要件を見直し、子育て支援のための条件を緩和する必要性を強調した。志木市における医療費助成制度は国の基準に基づいており、完納要件があるため、税金の滞納者が支援を受けられない可能性がある。この点について水谷議員は、川口市や和光市が実施している税完納要件撤廃の動向を踏まえ、志木市でも早急に検討を進めるべきだと訴えた。市長の香川武文氏は、現行制度を守り、納税意識を高めたいとの信念を示したが、議員からの強い再検討の要求に直面した。
次に、一般国道254バイパスについての課題が挙げられた。水谷議員は、工事の進捗状況を確認し、さらに安全な通行を確保するため手押し信号の設置を求めた。香川市長は、県との協議を続けており、準備が整い次第、信号設置の必要性を強く訴える考えを示した。しかし、交通渋滞の懸念から、設置に対する県の立場が厳しいとの説明もあり、解決策を見出すには慎重な検討が求められる。
地球温暖化への対応策も重要なテーマであった。水谷議員は、COP26での報告を引用し、志木市のCO2削減目標や再生可能エネルギーへの移行を促した。香川市長は、省エネ推進や新庁舎への太陽光発電導入など、着実な取り組みを説明したが、さらなる具体策や協力体制の構築が求められている。
子ども・健康部長の大熊克之氏は、フードバンクについても言及し、増加する生活困窮者への支援を強化する姿勢を示した。今後のフードドライブや食品提供の取り組みが不可欠とされており、地域全体での支援メカニズムの構築が急務である。
部活動の遠征補助についても、経済的負担を軽減するために制度の充実が議論された。志木市の教育政策部長は、今後の大会参加費補助についての方針を示し、市民の期待に応えるための支援の必要性を認識した。
この定例会においては、教育、環境、福祉に関する多様な課題が示され、これらに対する市の姿勢や方針が問われる形となった。今後の市の政策形成に大きな影響を与える議論が繰り広げられることが期待されている。