越生町議会は、令和2年3月9日に定例会を開催し、住民の安全と地域の農業振興に向けた重要な問題について議論を行った。特に、最近みられるイノシシや猿による獣害に関する対策に対して、住民の関心が高まっている。
ひとつ目の議題では、1月22日に行われた「イノシシの生態を知ろう」講演会への51名の参加が報告された。この講演では、獣害の原因が人間の行動に起因することが強調された。特に耕作放棄地や遊休農地が増加し、獣害を助長しているとの指摘があった。町としては、農業委員会と連携し、遊休農地の管理を徹底する取り組みを進める方針を示した。
次に、農業振興策としてユズの低木化に関する支援が提案され、労力を減らして生産意欲を高める方向で考慮されるという。また、ユズの枝を資源として活用するための方法についても、情報交換を行いながら進めることが計画された。
講演を受けて、教育機会を利用した啓蒙活動が必要であることも強調された。小中学校への出前授業や地域住民向けのセミナーを通じて、野生動物との共生や適切な対策を周知する働きかけが行われる方針である。
さらに、農業用堰に関する質疑も行われ、町としては今年度の稲作に向けて仮設の土のうを設置し、農業用水の確保を図る方策が示された。堰を利用している農家への負担は発生しない旨も確認された。
越生町のバス路線変更についても議論が交わされた。高齢者の交通手段としての重要性が認識されているが、西口への運行再開は難しいとされ、今後の検討が求められた。