令和元年第4回小川町議会定例会において、地域社会の持続可能な発展や高齢者の福祉に関する重要な議論が行われた。
議会において、笹本孝幸議員が提起した「高齢者を温かく見守る街づくりの実現に向けて」については、特に医療費や介護費用の負担増加に苦しむ高齢者の声が響いた。この議題に対し、栢盛武昭都市政策課長は、デマンドタクシー事業や路線バスのバリアフリー化を進め、高齢者の外出支援を行うと説明した。しかし、具体的な支援策や相談窓口の開設は難しいとのことで、町の施策の現状についての理解が求められた。
また、高齢者の健康維持や介護予防に向けた新たな支援ならびに、地域住民との連携を深めた事業展開についても提案があった。町民の健康促進を図るために、筋力トレーニングの導入や多世代交流の機会を提供することが求められる。
一方、パトリアおがわのプールやお風呂の利用休止に関する議論では、利用者からの戸惑いや反発の声が上がった。青木長生き支援課長は、現在の経費負担に対する考慮から転換を図る趣旨を強調しながらも、利用者の声を機会として捉え、事業の展望については住宅や地域福祉の改革への示唆が得られるとしている。しかし、住民説明会が十分に理解を得る機会となったかは疑問視されており、コミュニケーション不足の指摘がある。
さらに、新井章環境農林課長は、町内の農業振興についても言及した。高齢化や後継者不足によって減少する農家に対して、地域の担い手確保と、遊休農地の返納についての取り組みが進められ、地域資源の有効活用が求められるとした。特に、地域別の農地利用プランの策定が重要であるとし、地域ごとに異なるニーズに応じた対策を強化する必要性が指摘された。
台風19号による被害報告では、床上浸水や冠水、農作物への影響が挙げられた。櫻井広防災地域支援課長は、避難場所の機能や備蓄状況について明確にし、住民の安全確保のために町の方針を再確認した。一方で、災害時における情報発信の重要性が改めて浮き彫りとなり、改良の必要性が強調された。
この定例会の議論を通じて、行政が打ち出す各施策に対する透明性や町民の意見を尊重する姿勢が今後の方向性として重視されるべきであることが明らかになった。町の将来像に向けて、引き続き町民と共にある取り組みが求められている。