令和5年第5回東松山市議会定例会は、12月11日に開催され、議員による市政に対する一般質問が行われた。重要なテーマには、帯状疱疹ワクチン接種の助成を巡る意見交換や、生成AIの導入に関する検討が含まれている。
最初に注目されたのは、帯状疱疹ワクチン接種に関連した質問である。福田武彦議員は、ワクチン接種の助成制度の現状について鋭く問うた。田嶋靖洋健康福祉部長は、埼玉県内で公費助成制度を導入している自治体は14市町に上ることを示し、今後の国の動向にも注意が必要であると強調した。
続いて、生成AIの活用については、関口武雄議員がその利点とリスクに言及。中嶋和則総務部長は、生成AIの業務利用は現状行っていないが、情報収集を行い、今後の研究や開発に注力していくと述べた。この技術が行政に及ぼす影響については、慎重な姿勢が伺える。
また、遊休農地や耕作放棄地の活用についても議論された。江口功一環境産業部長は、地域農業の担い手不足が深刻であり、農業人口の減少が顕著であることを報告した。特に、野本地区では高齢化が進んでおり、地域活性化のための施策が求められている。市は新規就農者への支援を強化する意向を示しているが、具体的な施策については慎重に検討している。
最後に、地域要望としての「さくらの里」周辺の整備計画が取り上げられた。市民からは、公園やグラウンド設置の要望が寄せられており、江口部長は農地の保全を重視する立場を崩さない意向を示したが、市民の要望と市の方針とのバランスをどう取るかは今後の大きな課題となる。
今回の議会では、地域のさまざまな課題が議論され、今後の政策形成に向けた重要な論点が提供された。特に、国民健康保険に関する意見では、保険料の準統一化が迫る中、負担増が見込まれることに対し、安定した財政基盤を求める意見が多く寄せられた。市長もその重要性を認識し、国に対して必要な支援を求めていく姿勢を示した。現役世代、子育て世帯への負担軽減に向けた施策が期待される。