令和6年6月17日、東松山市議会の定例会が開催され、市政に対する一般質問が行われた。
この日の主要なテーマの一つは、保育・教育行政についてで、特にハラスメント対策が取り上げられた。横田正芳議員は、保育や教育の現場におけるハラスメントやカスタマーハラスメントについて言及し、その実態と市の対応を質問した。神庭法子こども家庭部長は、令和5年度中に保育施設での一方的なクレームが発生した事例があることを確認し、市への相談事例もあると述べた。そのため、苦情に対しては双方の意見を丁寧に聞き、一貫した対応を行う方針を強調した。
次に学童保育の問題についても触れられ、待機児童の実態が報告された。神庭部長は、令和6年4月時点で61名の待機児童が存在するとし、特定の放課後児童クラブに希望を持つ児童が多いことを示した。この状況に対応するため、定員の見直しや放課後児童クラブの運営支援を進める意向が示された。
また、子育て支援センターの入館料に関しても議論が行われ、現在市内の子育て支援センターでは100円が徴収されているが、こうした入館料を無料化することへの期待が寄せられた。部長は、運営のニーズを把握し、今後の課題整理に取り組むことを表明した。
さらにカスタマーハラスメント対策についても質問が集中した。市民生活部長は、東京都の事例に触れつつ、カスタマーハラスメントについての啓発が必要とし、今後ホームページへの掲載を検討すると答えた。
審議のなかで、議員たちは特に待機児童問題の深刻さを訴え、市が地域ニーズに応えるための施策ほか、議題に関連する具体的な対策を求める声が相次いだ。各議員の質問を通じ、教育と子育てに関わる社会的な課題が再認識され、今後の施策展開に向けた市の方針が示されることが期待されている。