令和6年の第1回定例会が開かれ、日高市の観光振興や文化財についての重要な議題が取り上げられた。
新井均議員は、日高市における観光振興策として「マンジュシャゲ」に焦点をあて、マイクロツーリズムの可能性を示した。コロナ禍から旅行者の意識が変化し、近場の観光が注目されていることに言及した。特に、日高市の自然環境が旅行者にリフレッシュを提供できる点を強調した。
「マンジュシャゲを活用した観光振興は、市の重要な戦略」と新井議員は述べ、巾着田での活動を通じた観光資源の育成が必要であると考えを示した。市民生活部長の渋谷市民生活部長は、その取り組みの一環として、巾着田曼珠沙華まつりやフェスティバルの開催によって観光客の誘致を進めていると説明した。参加者は全国から年間約20万人に達し、地域経済を支える役割を果たしている。加えて、SNSを活用した情報発信の重要性も取り上げられ、その成功事例としてフォトコンテストが紹介された。
さらに、新井議員は今後の観光振興の方針として、アサギマダラを用いた新たな観光資源の創出を提案した。この蝶は自然環境を代表する存在とされ、地域に新しい観光の柱となる可能性を秘めている。市民生活部長は、アサギマダラの飛来に必要なフジバカマ植栽について前向きな姿勢を示した。これにより、観光客の通年での訪問促進を図る意向を示した。
文化財に関する一般質問では、成田奈緒子議員が日高市の文化財について言及した。彼女は、有形文化財と無形文化財の継承が困難な現状を指摘し、市としてどう対応するかを問うた。教育部の滝沢部長は、主に民間や地域の協力を通じ、文化財の保存や継承を進める方針を述べた。特に地域の人々に文化遺産を知る機会を生み出すことが重要で、産業との連携も視野に入れている。さらに、デジタル技術を活用した文化財情報の発信も今後の計画に盛り込まれた。
新井均議員の提案や成田奈緒子議員の質問を通じて、日高市の観光振興と文化財保護の施策が今後の地域活性化に寄与することが期待されている。このように、観光と文化財の相乗効果が地域経済を支えていく重要な要素となることが再確認された。