令和5年12月8日に行われた第5回定例会では、動物愛護や災害時のペットとの同行避難などについて議題が取り上げられた。
この会議では、近藤沙織議員が動物愛護に関する質問を行った。特に、広島県の事件を例に挙げ、動物虐待の増加について警告した。近藤氏は、「警察が動物愛護法違反で受理した件数は2021年には364件、2019年に比べ増加している。動物福祉についての社会的関心が高まっているものの、依然として虐待事件は後を絶たない」と述べた。
動物愛護の取り組みの重要性を強調し、市の見解も求めた。これに対し、渋谷市民生活部長が「近年、ペットを飼う家庭が増えている一方で、ペットとのトラブルも増えている」と言及。ペットの管理について、県や県動物指導センターとの連携が必要であると語った。
続いて、近藤氏は野良猫の対策についても質問を続けた。日高市にはこま川団地という大規模な住宅団地があり、野良猫問題が顕著になっている。彼女は「過剰な繁殖を防ぐためにも、野良猫の対策が急務である」と配慮を示した。
渋谷市民生活部長は、「野良猫対策には、地域の方々との協力が不可欠である。TNR(捕獲・不妊手術・元の場所に戻す活動)を通じて、地域と連携しながら取り組んでいる」と述べた。具体的な進捗状況として、令和4年度においては55頭の弓道に成功したことを挙げ、今後もこの活動を継続していく方針を示した。
さらに、近藤氏は災害時の同行避難についても触れ、特にペットを飼っている家庭への配慮が必要であると訴えた。彼女は、「ペットとの同行避難を円滑に進めるには、自治体の取組が重要である」と強調した。
市の職員は、ペットとの同行避難に関するガイドラインを策定し、訓練を実施することが大切であると述べた。また、避難訓練の中でペットの同行避難を行う方針も明らかにした。
このように、今回の定例会では動物愛護や災害時のペット対策が大きな焦点となり、議会は今後も持続的な取り組みを続けていく方針を示している。地方公共団体としての責務を果たし、地域の動物愛護の取り組みや、市民生活に根ざした支援策を検討する姿勢が求められている。