令和3年第5回定例会では、様々な市政に対する一般質問が行われた。
企業誘致において、武田一宏議員は、飯能市への企業誘致の進捗状況や成果について質問した。産業環境部長の細田幸二氏は、飯能大河原工業団地に30社、精明東部地区に15社が立地していると説明。特に、東京精密が新たに飯能工場を設立し、400人の新規雇用創出が期待されているとのこと。また、企業誘致の税収効果は令和2年度で約5億9千万円と報告された。細田部長は「企業誘致のさらなる推進に努める」と強調した。
次に、ケアラー支援についても取り上げられた。特に、ヤングケアラーの実態把握が重要視される中、武田議員は18歳未満のケアラーの現状を調査し、支援策を強化すべきと訴えた。この件に対し、健康福祉部長の根岸隆氏は、ケアラー支援計画の策定や町内での啓発活動に言及した。今後、地域包括支援センター等との連携が進められることに期待が寄せられている。
さらに、武田議員はSDGsへの取り組みについても質問。市が来年度実施予定の事業をモデル事業としてエントリーする必要性を強調した。企画部長の新井洋一郎氏は、自治体の取り組みが強化されることを指摘し、地域活性化にむけた戦略的な取り組みを進めると述べた。特に、ほか自治体の成功事例を参考にすることが強調され、飯能市独自の政策形成が期待されている。
交通対策、特に高齢者や子供を事故から守る安全対策についても議論された。市民生活部長の大野充氏は、路面標示の維持管理や自治会からの要望に基づく対策を説明し、昨年度と比較して多くの要望に応じたことを報告した。しかし、予算削減により財源確保の難しさも議論され、国にはより強力な対策を求める声も上がった。
教育問題に関しては、コロナ禍による不登校の増加が指摘された。教職員の支援体制強化が求められ、教育センターによる放課後支援の拡充が期待されている。市教育長の平野功氏は、心のケアが重要であると認識を示し、今後さらに支援が充実される方針を述べた。
最後に、地域問題については名栗地区行政センターの修繕や国道299号の歩道の除草問題が取り上げられた。予算の厳しさも影響しつつ、地域住民との密接なコミュニケーションの重要性が再確認された。
飯能市のさまざまな施策は市民生活の向上に向け、引き続き議論と実行が求められる局面に入っているといえそうだ。