令和5年3月24日に和泉市役所で行われた第1回定例会では、様々な議案が討議された。
中でも特に注目を集めたのは、「和泉市行政特定部署と市民との不適切な接客対応に関する請願」である。総務企画委員会委員長の関戸繁樹議員は、過去の行政対応について問題点を指摘した。この件については再教育を求める意見もあったが、結果として不採択となった。井阪雄大議員は不採択の立場から、情報公開を求める手続きについての理解不足を理由に挙げた。
一方で、市下水道料金の推定未収金が毎年約1億円発生しているという請願も議題に上がった。緒方都市環境委員会委員長の山本秀明議員は、この未収金の背景として井戸水や専用水の利用実態を指摘し、課題の透明化を訴えた。しかし、この請願も不採択となり、反対意見が相次いだ。森久往議員は、未収金の出所が不明瞭であることを強調し、審査請求における適切な判断が必要だと述べた。
さらに、大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更に関する議案も提出された。この議案については、今後の水道事業の経営基盤を如何に強化するかが論点となった。賛成の立場から討論した山本秀明議員は、経営統合によるメリットを支持し、市民に対する水資源の安定供給の重要性を訴えた。一方で、井阪議員や早乙女実議員からは、経営統合の不透明性を理由に反対意見が相次いだ。この結果、議案は賛成少数で否決された。
議論は、令和5年度和泉市一般会計予算についても続いた。原重樹議員がこの予算に反対の立場から、給与体制の不公平や民営化への懸念を示したのに対し、松本利裕議員は教育や安全といった分野への投資が評価できるとして賛成表明を行った。各議案の報告及び質疑は、委員長報告として行われ、最終的に賛成多数で予算案は可決された。
閉会にあたり、辻宏康市長は協議の結果を受けて、今後の市政運営に留意するとの意向を表明した。市民の信頼を得るための透明性高い政務運営の重要性が再確認された定例会となった。