読谷村議会定例会が令和3年6月10日に開催され、参加議員達は多様な課題について討論を繰り広げた。
その中で、新型コロナウイルスワクチン接種状況についての問題が特に注目を集めた。健康推進課長の比屋根美千代氏は、現時点で65歳以上の高齢者に対しての接種予約数が6,474件であり、実際に接種を終えたのは2,383人だと述べた。これにより、村内の高齢者接種率は24%であり、この数は沖縄県の統計よりも若干高いという見解を示した。ワクチン接種の流れについては、特設会場を設けて集団接種を行っており、今後の計画として、70歳以上の高齢者の接種完了は7月末を見込んでいると強調した。
また、上地榮議員は接種における予約システムの課題を指摘し、特に混乱を防ぐための更なる改善が求められる点を強調した。健康推進課側も、予約受付やキャンセル時の対応策の充実が逆に接種率向上につながると認識しているとし、現行のシステムの見直しを考慮する必要があることを認めた。そして、タクシー利用チケットの制度が導入されていることについても評価を受けている。
新型コロナウイルス対策を強化する中で、企業や住民との連携も重要であることが再確認された。村長の石嶺傳實氏は、回復に向けた具体的な施策を進めることを誓い、ウフアチ(ウフ分かち合う)精神を大切にする必要があるとの意見を述べた。特に、観光業や農業振興などの施策を通じ、村民の生活の質を向上させることが急務であると強調した。
さらに総合情報センターの整備について、今回の事業が本村の発展に寄与することを期待し、地域に密着した施設になることを目指しているという意見が挙がった。今後はハード面だけでなく、ソフト面におけるサービス向上も不可欠である。
最後に、読谷村の環境整備や下水道整備の現況も課題として取り上げられた。特に下水道普及率が低い現状に対し、村内経済を支えるための戦略が求められている。環境に配慮した持続可能な地域づくりを行うために、行政のみならず地域住民全員が一丸となって取り組む必要があるとの意見が多数出された。今後の議論に期待が寄せられている。