令和4年第10回久米島町議会定例会において、津波避難場所の確保や観光資源、道路の整備についての重要な議論がなされた。特に、高齢化や自然災害の影響を考慮し、町民や観光客の安全を守るための取り組みが求められている。
まず、津波避難場所の確保については、海岸線に近い集落での一時避難の必要性が強調された。特に、字イーフや奥武島においては高所の津波避難タワーの建設が急務であるとの意見が挙がった。桃原秀雄町長は、民間施設を一時避難場所として活用する方針を示しつつ、高層建物が存在しない奥武島についても建設の可能性を検討する意向を示した。
さらに、イーフビーチ南側に設置されたトイレや三階建てのタワーについても問題提起された。これらの構築物は使用不可能な状態で放置されており、今後の活用方法を議論する必要がある。特に、民間業者が設置したもののため、町はその運営に対する関与に限界があるが、町民と観光客の利用を促すために何らかの対応が必要である。
次に、観光資源のインフラ整備についての議論も行われた。特に、観光地の未整備箇所の数が多く、インフラの整備が観光振興に直接影響することが指摘された。盛本實議員は、観光は総合産業であるとし、政策の実行が観光振興に重要であることを強調した。今後、整備計画の優先順位を設定し、関係者と協議の上、具体的な施策を進める必要があるという意見が多くの賛同を得た。
また、道路整備については、県道におけるクラックや凹凸が多く見受けられる状況が報告された。県に対して要望を伝える姿勢は示されているが、町民にとって利用しやすい環境を提供するためには、町自らが積極的に関与し、職員が実地確認を行うことが求められている。これまでの道路管理に対する意識改革が急務であるとの指摘もあった。
最後に、SDGsへの取り組みについても議論がなされた。町が掲げる17の目標は、町民が日常生活でどのように関わるかが問われている。町の広報誌に依存するのではなく、世代を超えて広く認知させるには、町民が身近に感じる方法での周知が必要である。比較的自由な形で説明会や公共地域放送を利用するなど、より具体的な施策が求められる。政策の実施に対して量的な目標を設け、結果を共有することで住民の意識を高める取り組みが期待されている。
このように多岐にわたる議題が取り上げられた今回の定例会は、久米島町の将来に向けた重要な方針を確認する機会となった。町長や議員の発言からも前向きな姿勢が伺え、今後の取り組みに対する期待が高まる。