令和4年3月8日、玉野市議会定例会が開かれ、令和4年度の予算案について質疑が展開された。議案では、一般会計予算、特別会計予算など、23件が議題に上がった。
市の財政運営について、多数の質問が挙がる中、「実質単年度収支は5億5,800万円の赤字が見込まれている」と政策財政部長の藤原秀紀氏は述べた。この背景として、厳しい財政運営の続行が強調され、府の還元財源や利子収入の変動が影響しているとした。
具体的には、令和3年度の一般会計決算がより良好な見通しだったことと比べ、令和4年度の見込みが悪化している理由に触れ、「歳出抑制を徹底し、財政構造の健全化を図る」との方針が示された。また、岡山市との連携についても言及され、協力を深化させる考えが示されている。
さらに、松田達雄議員が庁舎整備事業に関する質問を行った。彼は、予算に計上された9,973万円について国からの補助金が必要とされる一方、パブリックコメントの状況についても問いただした。「市民参加の進展についてどのように考えているのか」と問うと、八幡正敏公共施設交通防災監は、「市民への説明会は新年度早々に実施する予定」と応答した。
議案第5号に関する質疑では、玉野市競輪事業特別会計予算についての詳細な説明が行われ、昨年度の8,000万円の増額理由が説明された。これには選手宿舎やイベント運営の経費が含まれ、「昨年度の実質単年度収支は約8億円」とも付け加えられた。
水道事業についても、企業債残高対給水収益比率との関係で、110.5%との見込みが示され、企業債の厳しい負担が指摘された。市の水道ビジョンの継続的な進捗状況とともに、費用対効果と収益性の向上に向けた取り組みが求められた。
このように、玉野市における財政運営の課題は多岐にわたり、今後も透明性のある説明と市民参加の重要性が求められる。議会では、各議員が示した見解を背景に、今後の財政健全化に向けた取り組みが続けられることが期待される。