令和元年12月10日に行われた玉野市議会において、議論の中心に浮かび上がったのは、玉野競輪場の再編に関する問題である。この問題に対して、村上光江議員は、玉野競輪場が黒字であることや、他の競輪場では赤字が続く中での特異性を指摘し、さらなる来場者数の向上策を問うた。村上議員は、競輪場の改修を含む経営努力の必要性を説き、来場者数の推移について具体的な数字を要求した。これに対し、産業振興部長の山下浩二氏は、過去十年間における来場者数の減少を認めつつも、マイナス面を打破するための新たな施策を模索する必要があると説明した。
また、議事中に玉野市からの転出問題が取り上げられた。現在、玉野市では毎年300人以上の社会減が発生しており、村上議員は20代、30代の若者の転出者数が特に多い点を強調。黒田晋市長は、特に交通の便の悪さが転出の原因であるとの分析を示し、今後の定住促進策に関心を寄せた。
さらに、玉野市制80周年に向けた記念行事についての議論も行われた。市長は、イベントの意義に加え、コストを抑えた計画の重要性を挙げたが、松本岳史議員からは1,000万円の予算に対して厳しい意見が寄せられ、お金の使い方についても議論が交わされた。
また、災害対策としての施策も今後強化する必要があるとの認識も示され、特に高齢者や障がいを持つ市民に向けた支援の重要性が訴えられた。健康福祉部門では、フレイル予防策として体力向上や栄養摂取についても、さらなる取り組みを検討中であるとの報告があった。
一方、地元企業の支援や利活用の説明の中で、公共工事の分離発注や地元発注の促進策も議題として上がり、施策の拡充や市内企業の活性化に向けた取り組みが今後の議論の焦点となりそうである。
玉野市の多種多様な課題に対して、議会は引き続き市民の意見を反映した施策展開が求められ、その重要性を各議員が共通認識として扱う姿勢が見受けられた。