令和5年の第3回玉野市議会定例会において、教育や地域づくりに関する重要な議論が展開された。
特に高原良一議員が提起した地域の拠点づくりに関する質問が際立った。彼は、「人口減少に対して暮らしやすい玉野に向けた取り組みが必要だ」と強調し、地域センターの充実や市民センターでの交付事務についての意見を述べた。
高原議員は、市民センターでの交付事務復活の必要性を訴え、現在の巡回式では利用者の不便が生じているとの懸念を示した。具体的には、高齢者が必要な証明書の取得で困難を強いられているとのことだった。
これに対し、柴田義朗市長は市民センターでの証明書交付業務について、今年の4月から巡回方式で実施しているが、行財政改革の効果をできる限り確保しつつ実施していると回答した。この巡回方式では現在、証明書発行件数は月あたり数件であり、利用状況が少ない理由から、交付事務の完全復活は難しい見込みであると述べた。
議員の中には「市民センターの見直しが必要ではないか」という声もあり、本市の公共施設の維持管理コストや効率化についても議論が行われた。
私立教育に関する質問では、不登校対策や子どもたちの教育活動についての意見が交わされた。小泉宗弘議員は、地域の子どもたちの意見を反映させるため、地域付きの教育支援が重要であり、また不登校の児童・生徒に対する支援策を強化する必要があると指摘した。教育次長は、学校での取り組みや保護者会の活動状況について具体的に報告し、今後も取り組みを進めていく意向を示した。
プレコンセプションケアについての議論も行われた。医療と教育の一体化を促進し、市民に対する健康支援を強化する方針が確認された。浜田副市長は、妊娠に向けた健康を意識させる取り組みを今後も進めていく必要があると述べた。
議会の締めくくりとして、松本岳史議員が、市立病院の地方独立行政法人の移行及び新病院開院に向けた準備状況について問うた。これには原田英明病院事業管理監が、新病院建設に伴い行政の支援を強化していく必要性について言及。市民の医療ニーズに応えるため、より良い体制構築が求められる背景が示された。
この様に、玉野市議会定例会では地域の実情に寄り添った市民サービスの実現が重要なテーマとして浮き彫りになった。様々な意見が飛び交う中、今後の取り組みが市民により良い形で還元されることが期待されている。