令和5年9月8日、瀬戸内市議会で行われた第4回定例会において、一般質問が盛況に行われた。
最後の質問では、川勝浩子議員が防災について改めて言及した。彼女は、関東大震災からちょうど100年の節目にあたる今年9月1日を「防災の日」とし、災害に対する理解を深める契機としたいと述べた。具体的には、要配慮者の把握に加え、個別避難計画の整備が急務であると指摘した。これは、過去の災害において多くの犠牲者が高齢者や支援が必要な人々であったからだ。
また、川勝議員は避難所での支援が必要な人々への対応策や、障害者が必要なことを周囲に知らせる方法についても質問した。市は、筆談ボードや「耳が聞こえません」などのメッセージを記したバンダナを用意する方針について答えた。これらは、避難所でのコミュニケーションを円滑に進め、避難者の支援をより効果的に行うためのものである。
続く質問で、議員はがん対策についても取り上げ、無料のがん検診クーポンの利用率向上について懸念を示した。子宮頸がんや乳がん検診の利用率に著しい課題が見られるとし、特に若年層への啓発が必要であると強調した。市はこれに対して、受診勧奨を拡充する方策を検討する意向を示した。
さらに、宿泊施設の必要性も指摘された。観光客の利便性を高めるため、邑久や長船地域に宿泊施設を誘致する考えを市は持っていると述べた。川勝議員は、空き家の利活用や市内の観光資源を生かした宿泊施設の設立について質問し、市は検討を続ける意志を示した。
このように、多くの議員が市の防災体制や健康施策、地域の活性化に向けた具体的な提案を重ねる一方で、市当局も質問に対して前向きな姿勢で応じ、地域におけるさまざまな課題への対策を進めていく意向を示した。今後の実施状況に注目が集まる。