令和6年6月13日に開催された瀬戸内市議会定例会では、特に観光行政と防災問題についての議論が活発に行われた。
観光行政に関しては、牛窓の振興策や地域資源を活用したアドベンチャーツーリズムの導入について提案がなされている。例えば、牛窓の歴史的背景や自然景観を強調し、ターゲット市場として県内や京阪神の女性を狙った施策を強化することが提案された。岡産業建設部長は、観光誘客に向けた地域資源の高付加価値化や差別化を重視し、観光協会と協力して取り組む方針を示した。
一方で、鹿忍地区の塩田跡地に関する問題も浮上した。この地域では浸水による悪臭や害虫の問題が報告されており、地元の住民から改善を求める声が上がっている。環境部長は、所有者への適正管理の依頼を継続する方針を示したが、具体的な解決策には至っていない状況だ。地域の活性化や環境改善のためには、行政のさらなる介入が求められている。
また、防災についても議論が行われ、特に耐震・防火対策の推進が強調された。消防職員の川部長が耐震ブレーカーの効果を説明し、今後の補助金制度の検討を約束した。さらに、家具転倒防止についての補助金提案もあり、これもまた多くの自治体で採用されている有効な対策であると指摘された。
出生率は依然として低迷しており、子育て支援策の拡充が求められている。教育長は子育て施策の必要性を訴え、特に第3子以降の支援強化が重要であると強調した。加えて、南海トラフ地震に関する防災対策も重要視され、職員への教育と訓練の強化が進められるべきである。
このように、さまざまな課題が提起される中で、瀬戸内市役所は今後も地域住民の声に耳を傾け、持続可能な地域発展に向けた取り組みを深めていく必要がある。各議員からの意見や提案は、地域活性化や防災対策の向上に向けた貴重なインプットとなり、市が進むべき方向性への指針となるだろう。