令和5年12月4日、瀬戸内市議会における一般質問では、主に子育て支援と児童虐待防止に関する議論が行われた。市民の生活に密接に関連するこれらの課題について、各議員が具体的な対策を求めた。
まず、児童虐待に対する通報や相談の現状について報告された。2022年度には全国で過去最高の虐待相談が寄せられており、瀬戸内市でも今年度10月末時点で22件の相談があった。市は、各必要な機関と協力し、緊急対応を行う体制を整えている。しかし、依然として子どもたちからの直接的な通報はないという現実が浮き彫りにされた。
次に、産後ケアに関する質問があり、特に、地域における母親の心身のサポートが重要であるとの認識が示された。市は宿泊型支援に加え、デイサービス型やアウトリーチ型の展開を検討しているが、制度の拡充に向けたアクションプランの具体的な進捗状況などが問われた。
さらに、母子健康手帳アプリの利用状況が紹介された。現在、アプリは一時的に停止しているが、新たなサービスの構築に向けた情報収集を進めていることが報告された。
一方、牛窓の観光に関連する質問では、駐車場不足の解消に関して市内の駐車場整備が提案された。市内には観光資源としてのポテンシャルがある牛窓を再活性化し、地域振興につなげるための具体策が必要であるとの意見が多かった。
また、今回の議会では、刀剣博物館の無料入館デーの提案があり、地域の文化資源としての刀剣や国宝山鳥毛の価値を再認識し、市民にその魅力を広めていく重要性が強調された。また、観光客の負担軽減を図るため、市民感謝デーの実施が考慮される。
加えて、公共施設に設置されている AED の外付けやアクセスの改善を求める声も上がった。特に、緊急時には迅速な対応が求められるため、より効率的な方法での導入が期待されている。
議論の中で明確になったのは、地域のニーズに応じた支援体制の構築とともに、市民一人一人の声が反映されるような行政運営の重要性だった。今後、当市においては多角的な視点で施策を構築し、市民の安心安全な生活の実現を目指す必要がある。