令和元年の里庄町議会第3回定例会が、6月11日に開催され、財政についての議論が中心となった。議員らは、特に町財政の厳しい現状に警鐘を鳴らし、今後の施策について意見を交わした。
まず、10番の平野敏弘議員が町の財政について質問をした。彼は、過去の行政運営の中で町財政が崩壊の危機にあることを認識しており、将来的には暮らすための資金が残らない状況に危機感を示した。平野議員は、町長の見解を求め、加藤泰久町長は、今後の財政運営においては引き締めが必要であるとの見解を表明した。
加藤町長は、具体的な財政圧迫の要因として、少子・高齢化による社会保障費の増加や老朽化した公共施設の改修費用の増加、そして過去の起債の償還などを挙げた。彼は、「事務事業の見直しや経費の削減を継続しなければならない」と強調した。
議会の中でも、美しい森に関する議論があった。平野議員は、災害の影響で遊歩道が閉鎖されている件に触れ、「再開の見通しが立っているのか」と質問し、妹尾渉農林建設課参事は「現状は半永久的に閉鎖されている状態」と答えた。
また、企業誘致に関しても討論が行われた。9番の高田卓司議員は、企業の誘致が財政改善に繋がる重要な施策であると訴え、町長に対して新規企業誘致のための活動状況を問いただした。加藤町長は、町内外の企業を訪問し、遊休地に土地活用を求める活動を行っていることを説明したが、高田議員は「新規企業誘致に向けた更なる努力が必要」と指摘した。
また、通学道路の安全性についても問題が浮上した。高田議員は、交通量が多い校門近くの通学路に危険が伴うと指摘し、安全対策の必要性を力説した。教育長の杉本氏は現状を理解しつつも、安全確保のための手段を今後考えていくと述べた。
このような重要な議題が上がる中、一体となって町の発展のために何ができるかを模索する必要があると感じられた。