令和4年3月、里庄町議会第2回定例会が行われた。この会議では、重要なアジェンダとして高齢者の運転免許証返納や地域公共交通の問題が取り上げられた。
特に、運転免許返納後の生活支援を欠ける高齢者への交通手段の確保が急務とされている。藤井典幸議員は「免許返納後、高齢者はどのように生活を支えるのか」と問いかけた。これに対し、加藤泰久町長は、「地方の公共交通システムは厳しい状況であり、今後の見直しは必要」と強調した。具体的な対策が求められるなか、町内では高齢者タクシー料金助成事業が拡充されることが決定された。
この事業は、特に介護が必要な高齢者や運転免許証を返納した方々を対象にしており、他の利用者についても意見を募る体制が整えられている。しかし、一方で導入されつつある新たなタクシーサービスについては、議員から「ただ金銭的支援だけでは足りない。継続的な生活支援をどう考えるか」との指摘もあり、町の取り組みが注目されている。
また、公共交通の現状にかかる住民意識調査が進められ、903名からの回答が得られた。その中には運転免許証を持たない高齢者も含まれ、実際に交通手段を必要とする声が多く寄せられている。しかし、これらの意見をどのように集約して施策に活かすのかが今後の課題である。
さらに、上水道の耐震化についても言及された。藤井議員は「南海トラフ地震の影響を考慮するべきだ」と数々の地震事例を列挙し、対策の必要性を改めて指摘した。
この議会では、コミュニティーバスやデマンド交通の導入も話し合われ、町長は「交通政策は慎重に進める必要がある」と述べた。特に高齢者の移動手段確保には、地域のニーズを反映した柔軟な交通システムが必要との意見が多くあがった。
今後も、里庄町がいかにして高齢者等に配慮した交通施策を進めていくのか、その実績が期待される。これらの議論は、地域共生社会の実現にも寄与するものであり、今後の進展が注目される。