令和5年9月5日に開催された全員協議会では、倉敷市の中期財政試算が議論された。
市長の伊東香織氏は、令和6年度から令和8年度までの財政見通しを示し、歳入及び歳出の構成について詳しい説明を行った。
その中で、市税収入が法人税に大きく依存していることから、景気変動による影響を受けやすい現状を指摘。特に、令和5年度は企業収益悪化の影響で法人分の市民税が減少する見通しであると述べた。
続いて、普通交付税の減少についても言及。令和5年度は、国の地方財政計画に従い、普通交付税が36億円減少する見込みであるという。市長は、これが市の財政に与える影響について懸念を示した。
歳出については、庁舎等の再編整備事業や中央斎場整備事業などの投資的経費の増加が課題であるとし、新型コロナ関連経費の減少が一部に見られるものの、全体の経費は増加傾向にあることを強調した。
特に、自然災害への備えとして、公共施設の個別計画に基づいた長寿命化や複合化にかかる経費の増加が懸念されている。市長は、「防災・減災対策が早急かつ最優先で取り組むべき課題である」と強調し、安全で安心なまちづくりの必要性を訴えた。
また、財政調整基金の残高についても触れ、令和4年度末の予想残高が126億円となっていることを示した。この基金は今後の歳入の減少を補う重要な資源として考えられている。
加えて、今後も健全財政を維持し、将来を見据えた持続可能な財政運営が必要であるとの認識を示し、新たな施策の実施に向けた準備を進めていることを明言した。伊東市長は、「持続可能な財政を確立することが重要である」と述べ、具体的な行動指針を打ち出した。
市の財政運営に関する課題は多岐にわたるが、伊東市長は適切な施策を進めることで今後の発展な基盤を築く意向を示した。会議は、出席者からの意見を求め、閉会となった。