令和3年11月30日、倉敷市の文化産業分科会が開かれ、議案第130号である令和3年度の一般会計補正予算が審査された。
この補正予算には、国民宿舎良寛荘の管理運営に関する債務負担行為が含まれ、指定管理者再公募に向けた予算が組まれている。文化観光部の早瀬部長は、この宿舎の利用状況について説明した。
良寛荘は、ぐるりと観光が楽しめる玉島柏島に位置し、宿泊定員は106名。複数の設備を持ち、平時の宿泊利用者は年間1万3,000人を超えている。しかし昨今、コロナ禍が影を落とし、経営の厳しさが表面化している。今年度中の指定管理者の募集では応募がなかったと報告された。加えて、文化観光部長は「今まで黒字が出なかった」と言及し、経営状況への懸念を示した。
西日本では新型コロナウイルスの影響により、宿泊施設や観光業界が打撃を受け続け、良寛荘も例外ではない。文化観光部長は部門の再生に向け、国からの補助金を基に、令和4年4月からの指定管理者制度の見直しを進め、さらなる公募を行う意向を示した。先の予算決算委員会において、約9,000万円の指定管理料が必要と説明され、この金額の算出根拠についても披露された。
神田委員が質問した際には、指定管理責任者の利益を確保すべく収支バランスの分析が機密保持の観点から難しいことも明かされた。部長は、過去5年間の稼働率が低かったことを強調し、「宿泊者数が収益を圧迫している。」と語った。今後の修学旅行受け入れに関しても、市として支援を行う意向を示し、収支改善を図る方針が立てられた。
会議は質疑のみであり、議案の採決は別途行われることが伝えられた。北畠会長は、「この案件に対し、賛否以外で意見のある方は挙手を」と呼びかけたものの、挙手はなく議論は終了した。結論とはならなかったが、あらためて産業の再生に向けた重要な議論が行われた印象を受けた。