令和元年9月3日に開催された全員協議会では、真備地区の復興状況と中期財政試算について、伊東香織市長が詳細を説明した。
真備地区は、平成30年7月豪雨による災害の影響を今なお受けており、約6,500人が仮設住宅で生活を強いられている。市長は、復興に向けた取り組みを強調した。具体的には、災害追悼式や復興への誓いを新たにするイベントが行われたことを紹介した。さらに、治水対策として小田川合流点の工事が進行中である事情も説明した。
治水対策に関する進展が挙げられた。小田川合流点付替え事業の着工式が遂行され、令和5年度の完成を目指している。堤防拡幅工事や河道掘削の進捗も報告され、土砂の撤去が順調に進んでいることが伝えられた。特に、国が実施する河道掘削が19万6,000立方メートルに上る見込みであるとされ、住民の安心を図ることに寄与する意義が示された。
仮設住宅に関しては、市内外で建設されている220戸の仮設住宅に526人、さらにみなし住宅には5,980人が住んでいる現状が明らかにされた。市長は住まいに関する意向調査の結果も紹介し、再建方法をすでに決めている世帯が80%を超えた一方、転居時期が未定の世帯も4割以上存在するという厳しい現状も強調した。仮設住宅の入居期間延長が求められていることも報告された。
また、住まいの再建に向けて、災害公営住宅の整備が進められる。令和2年度中に完成を目指し、一定規模以上の建物として浸水時の避難所の使用を検討している。市長は、今後需要が増した場合には民間賃貸住宅を活用する考えも述べた。これにより、より多くの住民に安定した住まいを提供することが期待される。
中期財政試算についても報告があり、消費税率10%が影響する歳入の増加が見込まれる一方で、生活保護費や社会保障にかかる支出は引き続き高水準である。市長は、景気の動向による税収の不安定さや、災害対策に伴う財政負担を指摘しつつも、健全な財政運営の確保を目指す意向を示した。新たな施策の導入や、行財政改革プラン2016の実施を通じて、未来に責任を持った持続可能な財政運営を目指す方針が確認された。
この会議を通じて、市民に対する透明性の確保と、復興の進捗を継続的に知らせる重要性が再認識された。市長は、復興に向けた支援を求めつつ、議員が協力していくことの重要性を強調し、会議を締めくくった。