令和5年12月7日、笠岡市議会が第8回定例会を開催した。
この度の会議では、浸水対策と防災に関する重要な議題が扱われ、特に雨水排水に関する整備状況が話題となった。河田博之上下水道部長は、現在、整備している雨水排水は時当たり33.5ミリの降雨量を想定していると説明した。また、下水道事業計画に基づき、都市部で進めている整備の概要も示される中、今後の雨水管理の中・長期的な計画の重要性が指摘された。
桑田昌哲議員の質問に対し、河田部長は「雨水管理総合計画策定ガイドライン(案)」に基づく整備が必要と答え、国からの支援を受けながら計画を進めることへの意欲を示した。特に、気候変動を考慮した新しい雨水管理の方針への見直しが求められる中、市として必要な施策を講じていきたいとの考えを伝えた。
さらに、災害時の避難所の整備状況や防潮堤についても質問が交わされ、行政がどのように住民の安全を確保していくかが重要視された。箱田昭君危機管理部長は、南海トラフ地震に対する備えや避難訓練についても触れ、「市民との対話を重視し、地域の声を反映した防災対策を進めていく」と力強く述べた。
また、大月隆司議員のデジタルトランスフォーメーションに関する質問では、笠岡市がDX推進を目的にデジタル技術の導入を進めていることが強調された。補助金の活用や市民参加などによる課題解決を図る意向も示され、市役所の業務改善を通じて住民利便性の向上を目指す姿勢が見られた。
特に、LINE申請システムの導入により市民がより便利に市政情報を受け取りやすくなる点が注目を集め、利用者の増加が期待される。今後は、マイナンバーカードとの連携を強化し、サービスの向上を図る予定であるとの意見も示された。
今回の会議では、浸水対策やデジタル化、そして防災に関する取り組みについて活発な意見が交わされ、笠岡市が直面する課題に対して新たな方向性が模索された。市民の安全・安心を確保するため、行政と地域住民が一体となった取り組みが求められている。