確かに、令和6年第4回笠岡市議会では、市長の所信表明が注目される内容となった。市長の栗尾典子氏は、就任後初の定例会において、笠岡市の将来について多くの課題を指摘した。
市長は、2050年までに人口が大幅に減少するとの危機感を表し、消滅可能性自治体という厳しい状況を挙げた。特に、同市の人口は現在45,000人を切り、2025年には約40,000人に減少することが予測されている。
栗尾市長は、未来への責任を明言し、「地域への愛着を持てる市にする」と強調した。市民の意見を反映させる「対話」を大切にし、市政の透明性を保つ姿勢を示した。市政運営においては、「調和」を大事にし、多様な意見に耳を傾ける重要性も訴えた。
また、市長は市民生活を「ささえる」施策として、特に全市民の移動手段を確保することを重要視している。公共交通の見直しや、予約制の乗合タクシー導入の検討も進める方針を示した。
「まちを整える」施策では、最大の課題として笠岡湾干拓地の臭気問題を挙げた。また、臭気対策として防風林の設置や排水処理の改善などを検討していく必要があると述べた。
そして、子育て支援においては、4つの無償化、すなわち放課後児童クラブ費などの取り組みを進める計画を示したが、厳しい財政状況に直面し、すべての施策を一気に実現することは難しいとの認識も示した。栗尾市長は、市政運営における厳しさを強調し、関係者と協力して質の高いサービスを保持する仕組みづくりにデジタル技術も活用する意向を示している。
補正予算についても触れ、予算の見直しと必要性を検証する作業を進める意向を表明した。市の財政が厳しいことから、全ての事業は精査の上、スクラップして適正な規模に見直す必要があることを訴えている。
市長は、自身の施策が市民に響くものであることを希望し、専門知識を持つ議員の協力を呼びかけた。今後、士気を高めながら様々な意見を取り入れ、笠岡市の未来に向けた具体的な施策を展開していくことが期待される。