井原市議会定例会において、17番の宮地俊則氏が井原市民病院の経営強化プランについて質問した。宮地氏は新事業管理者の就任に期待を寄せつつ、経営強化プランの具体的な推進方針について明らかにするよう求めた。特に、病院管理学の専門家である齋藤信也事業管理者に対する期待感を表明した。
病院事務部長の津組勇一郎氏は、齋藤氏の所信を代読し、地域医療の重要性を訴えた。彼は、行政サービスとしての医療提供と民間病院と競合する健全な経営の両立が重要であると強調した。彼は、井原市の人口減少や医師不足への対策を講じる重要性を指摘し、医療現場の労働生産性を向上させる必要があると述べた。
また、津組氏は井原市の医師数が岡山県平均の54%に過ぎない実情を説明し、医療人材の地域偏在問題を解決するため、県に対して偏在対策の検討を要望することを約束した。さらに、同氏は、労働時間の短縮や働き方改革の進展を踏まえ、職員の意識改革が重要であることを強調し、医師の働き方改革についても言及した。
新興感染症対策についても質問を受け、津組氏は井原市民病院が新型コロナウイルスに対して中心的役割を果たした事例を挙げ、今後も感染症対策機能を確保する方針を示した。公平な医療提供体制の確立に向け、外来患者の受付体制や検査準備も進めていると答えた。
また、周産期医療についても言及され、井原市民病院が岡山大学と連携して妊婦健診を行っている現状説明があった。アンケートを実施し、利用者からのフィードバックを基にサービス向上を目指す考えを示した。最後に、宮地氏は井原市民病院の経営効率化についても触れ、グローバルな視野で地域医療を発展させる必要性を強調した。病院事務部長は、具体的な経営目標として令和9年度の収支黒字化を目指していると述べた。
議会の質疑応答は、今後の医療制度改革や地域医療連携の重要性に改めて焦点が当てられ、井原市民病院の安定的な運営を確保するための具体的な施策が求められる結果となった。