令和6年3月、笠岡市議会第1回定例会が開催され、一般質問が行われた。
特に注目を集めたのは、14番原田てつよ議員の質問で、民間救急事業者との協定についての考えを求めた。原田議員は、全国的に増加している救急搬送の中で、軽症患者が多いことを指摘し、民間救急の役割や重要性を強調した。これに対し、危機管理部長の箱田昭君は、「民間救急は医療行為を目的としないが、救急隊員の負担軽減には寄与する可能性がある」と述べた。
続いて原田議員は、昨年の能登半島地震での教訓を踏まえ、災害時の民間救急の活用についての重要性も訴え、行政との連携が必要だと強調した。市長の小林嘉文君も、民間救急との協定の重要性を認め、「有益な協定については情報収集を進めたい」と答弁した。
原田議員はさらに、笠岡諸島の振興と活性化のための取り組みを問うた。笠岡市は、豊かな自然環境や観光資源を持つが、近年は少子高齢化が進行し、観光客も減少している現状がある。市長は、観光の振興が重要だとし、「笠岡湾干拓地を活用した農業観光や、映画ロケ地としての誘致活動を行っている」と述べた。その具体的な取り組みとして、観光誘客につながる施策を進め、地域資源を最大限に活用する必要性が強調された。
さらに、議会での質疑は生物多様性や地元文化の再発見を通じ、地域のシンボルであるカブトガニ博物館と竹喬美術館に注目が集まった。市長は、観光資源のPRや地域間の交流を強化する必要性も述べ、地元の特性を生かしていく考えを示した。
最後に、教育長の岡田達也君が、日本型学校教育における現状を説明し、地域社会との連携の中で教育環境の充実を図る意義を強調した。生徒たちが自己の能力を発揮できるよう、教育機会を増やす取り組みにも力を入れていく考えを示した。
このように、今回の定例会での議論を通じて、笠岡市の未来に向けての様々な方策が再確認された。