令和2年3月定例会が笠岡市議会にて開催された。
最初の日程では,新型コロナウイルス感染症に対する対応と対策状況について議論が行われたが,市長の小林嘉文氏は,笠岡市内ではまだ陽性者が確認されていないことを強調した。その一方で,国や県の指導に基づき,市民に対する感染予防の呼びかけや,関連情報の提供を行っていることが報告された。特に,市内の教育機関では,学校の休校といった措置が取られ,市内の小中学校は3月2日から春休みまで休校が決定された。これは国の要請に基づくものであり,市長は「子どもたちの安全を最優先した」という。
その後の一般質問では,各議員から様々な意見が交わされた。特に,感染症による影響が市民生活に及ぶ中で,市の対応に対する疑問や要望が提起された。質問の中には,学童保育への利用者の増加について懸念を示す声もあり,市長は必要に応じて学童クラブの受け入れを広げる考えを示した。また,教育長の岡田達也氏は、学習の保障に関する懸念に対し、次年度の授業において未消化の内容を扱う方針であることを伝えた。加えて、心理的なケアや特別支援を必要とする児童に対する配慮についても議論が交わされた。
次に,市の経済政策に関する質問もあった。市長は,企業誘致や雇用創出の施策について成果を報告したが,市民からはその影響や実績に対する疑問も呈された。特に,雇用が本当に地域に還元されているのか,具体的な数値をもとにした説明が求められた。市長は,企業からの税収の変化や雇用の増減に関するデータを示しながら,市の経済政策の結果について説明を試みたが,依然として市民からの信頼を得るにはさらなる評価が必要とされている。
水道料金の引き下げについても,議員から再提案がなされた。市長は,水道事業の安定性や持続可能な運営の観点から賢明な財政運営が求められているとし,まずは市の状況を見極めた上で,今後の料金体系の見直しを進める考えを示した。