令和5年9月11日に開催された笠岡市議会定例会では、議員から市民サービスや医療体制を中心に多くの質問が行われた。特に、齋藤一信議員(公明党)は市民病院の産科医療体制に強い懸念を示した。
齋藤議員は、地域の唯一の産婦人科医院が年末に閉院することから、市民病院での対応が求められると訴えた。
「出産可能な医療機関がなくなる状況にあり、笠岡市立市民病院の産科医療体制を早急に整備すべき」と強調した。これに対し水田卓志市民病院管理局長は、産科医療体制の整備には困難があるとの考えを示した。
公共交通についても質問があり、齋藤議員は笠岡市の交通手段の確保に対する市の対応を求めた。特に三洋汽船によるフェリー運航休止の影響が地域住民に与える影響を懸念し、「安定した運行体制の実現を求める」と述べた。これに対し、大須賀寿樹政策部長は、住民の生活維持に向け、国や県と協力しながら支援を検討する考えを示した。
さらに、藤井義明議員(改革21)は、財政状況について詳細に質問し、「資金不足、借入金過多、収支悪化」の3つの問題があることを指摘した。過去のデータを示しながら、「長年の財政運営で借金が増え、厳しい状況には変わりない」と厳しい意見を述べた。また,金浦中学校における新校舎建設について,教育長は「多様な学びに対応するための施設整備が必要」と強調したが、藤井議員は「それだけの投資が本当に必要か」と疑問を投げかけた。
このように、笠岡市議会では、医療、公共交通、教育などが幅広く取り上げられ、問題解決に向けた具体的な方向性が求められる場となった。市長や各部長は、市民の声に対して真摯に向き合う姿勢を示し、今後の施策の進展が期待される。