令和2年12月14日に開かれた笠岡市議会定例会で、複数の議案についての審議が行われた。
主な焦点は、議案第98号の令和2年度笠岡市一般会計補正予算(第10号)が多くの議員の質疑を呼んだことだ。特に注目を集めたのが「島のきずな便拡充事業」に関する質疑で、奥野泰久議員より過去に提出された予算が修正の経緯を踏まえ、再度提案されたことの理由が問われた。奥野議員は、市が300万円の船を購入し、事業を進めることに対し、「テスト費用としての船の購入が本当に必要か」と疑問を呈した。
山岸雄一政策部長は、補正予算に関して、民間の厳しい運営状況を理解した上で、持続可能な供給体制の構築が求められていると説明した。具体的には、石油などの運搬が民間主導で行われている現状を踏まえ、必要な支援を行うことで、地域の安定供給を図る意図があるとした。その上で、民業圧迫を避ける意向も強調した。
奥野議員は市長に対し、再度の質疑を行い、議会の意思決定機関としての役割を強調。市が進める施策が本当に市民のためになるのか、再考を促した。市長の小林嘉文は、「民業圧迫はしない」という立場を崩さず、今後も地域の実情を反映した施策を進める意向を示した。
また、議案第115号では笠岡市職員定数条例の改正が提案される中、一般社団法人笠岡市観光協会への職員派遣に関する条例の改正が発表された。市長の小林は、観光協会への職員派遣が新たに認められることで、地域の観光振興に寄与することを強調した。
このように、定例会では地域の課題への対応や予算案の妥当性が活発に議論され、議員たちの厳しい目が光る中で審議が行われた。市民の生活に直結する施策については、慎重な議論が求められている。全体として、会議では「市民のための施策」という視点が貫かれた。