笠岡市議会が令和6年9月に実施した定例会では、地域社会が直面する様々な問題について、議員による活発な意見が交わされた。特に、人口減少や有害鳥獣対策が重要なテーマとして取り上げられた。
まず、7番の山下恭司議員は、空き家問題や孤独な高齢者の増加に言及した。過去10年間で笠岡市の人口は約7,600人減少し、744の消滅可能性自治体に含まれている現状を指摘した。山下氏は、持続可能な地域作りや若い世代の情報共有に向けた施策の強化を求め、栗尾典子市長の見解や対策の明示を促した。市長は、「現状を受け入れた上で、市民サービスの維持に努める」との姿勢を示した。
次に、有害鳥獣対策に関する議論も行われた。山下氏は地域住民から寄せられた農作物の被害について訴え、国の予算の流れや協力金制度についての透明性を求めた。これに対し、前川英之産業部長は、過去年度の捕獲実績を挙げ、地域住民組織の活動や協力金制度の改善策についての検討を記した。
また、新型コロナワクチン接種については、2番の宮崎秀夫議員が質問に立ち、ワクチンの副反応やその補償について懸念を表明した。市長は、情報提供やインフォームド・コンセントを重視する旨を強調し、適切な説明を行っていることを伝えた。市民への周知徹底が求められ、今後の対応策を市としても検討中であることが説明された。
さらに、地域通貨導入の視点に立った議論もされた。山本聡議員が提案したデジタル地域通貨については、この導入が地域魅力のアップに寄与する可能性を示唆。市長もコストに関する課題認識を持ちながら研究を進めるとのこと。
議会の討論を通じ、市民からの要望や市の現状を踏まえた施策が求められ、特に人口減少問題と有害鳥獣対策については今後の具体的な行動が期待されている。定例会は成功裡に閉幕し、次回の議論の場への期待が高まる。