令和元年12月井原市議会の定例会において、高齢者福祉の充実や地域包括ケアシステムの構築に向けた重要な議論が交わされた。
10番の三宅文雄議員は、地域包括ケアシステムの構築について質問した。高齢化が進む中で、今後ますます必要とされる施策であると強調する。市長の大舌勲氏は、健康、医療、福祉に関する施策を一体的に推進することが重要であると述べ、具体的な取り組み状況を報告した。
在宅医療・介護連携推進事業では、医療機関と介護施設の多職種が連携し、在宅医療と介護の両方を提供することを目指す。約100人が参加する交流会を年に3回開催し、意見交換が行われているという。また、健康福祉部長の山田正人氏は、情報をスムーズに共有するシステム「晴れやかネット」の導入を説明した。
三宅議員は、認知症総合支援事業についても触れ、脳の元気力チェックやサポーター養成講座の実施状況を質した。市は、認知症への理解を深め、地域全体で支援の輪を広げる取り組みを強調する。特に、約5,500人がサポーターとして養成されたことを挙げ、市民の意識向上が重要であると述べた。
さらに、権利擁護の観点から、成年後見制度の支援の取り組みや虐待防止ネットワークなどの仕組みも紹介された。市内での地域包括支援センターを活用し、権利擁護に努める姿勢が示された。また、市民後見人の養成については、平成23年度から始まった事業の進展を報告し、現在11名が登録されていることも明らかにした。
最後に、森林整備についての質問があり、市は地域の森林資源を守るための施策を進める必要があると指摘された。市長は、森林環境譲与税を基に具体的な施策を検討中であることを述べ、地域の自然環境とケアシステムの関連性についても言及した。
このように議会における討論は、多岐にわたる重要テーマが取り上げられ、高齢者を支える地域社会の構築に向けた具体的な施策が議論された。市民とともに「住みやすいまち」の実現を目指す姿勢が伺えた。