令和3年9月24日、国東市議会の第3回定例会が開かれ、さまざまな議案が審議された。
特に注目されたのは、「核兵器禁止条約の批准を求める意見書(案)」についての討論である。議員たちの意見が交わされる中、賛成派は核兵器問題が人類に与える脅威を強調し、条約の必要性を訴えた。一方で、反対派は、条約の実効性や日本の安全保障に対する懸念を表明し、慎重な判断を呼びかけた。
賛成討論を行った吉田眞津子氏は、核兵器が世界の平和にとって大きな脅威であることを強調し、被爆国として日本が率先して国際的な取り組みを進めるべきだと主張した。彼女は、「核兵器禁止条約は、核兵器の開発から使用までを禁止する重要な条約であり、日本もその批准に向けて行動すべき」と述べた。
一方、反対討論を行った坂本隆之氏は、条約の非締結国が多い現状を指摘し、「条約が実効性を持たない中で、日本が批准することは国益にかなわない」と考えを示した。彼は、他の核保有国がどのように動くかを見極めるべきだとし、その際には日本の立場が脅かされる可能性があると警鐘を鳴らした。
また、農業関連の発議についても議論が交わされた。「コロナ禍による米の需給改善と米価下落の対策を求める意見書(案)」は、農家への支援を求める内容であり、議員たちの関心を集めた。産業建設常任委員長の宮園正敏氏は、「新型コロナウイルスの影響により多くの農産物が売れず、米価が大幅に下落している。この状況に対して国がしっかりと責任を持って支援すべきだ」と主張した。意見書は賛成多数で可決され、農家への支援策が今後の重点課題として位置づけられた。
議会最終日には、すべての議案が原案通りに可決され、令和3年第3回国東市議会は閉会した。議題にあがった案件はすべて終了し、議員たちは今後の課題に向けての決意を新たにした。国東市の今後の発展に向けた議論は、引き続き重要であるとされている。