国東市議会が行った定例会では、住民の安全や地域の活性化に関するさまざまな質問が上がった。特に、消防業務と投票率の向上が議題に挙がり、これらの問題が市民生活に与える影響について議論がなされた。
まず消防業務に関して、丸小野宣康議員が防災無線の放送についての質問を行った。彼は過去の火災時における放送ミスについて触れ、原因を問うと、手嶋幸吉消防長は「機器の操作ミスが原因であり、再発防止に努める」と述べた。これに対し、丸小野議員は、混乱を招く放送があったことへの懸念を表明し、放送範囲の見直しを提案した。
この中で、火災情報の送信範囲については、現在市内全域に波及するサイレンを流す仕組みがあるが、安岐町などの消防団員が迅速に現場に向かうことを妨げる要因となっているという意見も出た。手嶋消防長は「火災発生時の出動体制は分団単位で行うべき」としたが、議員たちは操作上の問題が再発しないよう厳格な対策を求めた。
次いで、投票率の向上に関する質問では、森浩昭総務課長が「近年、投票率が低下している」と報告。特に「投票しても変わらない」という市民の無関心が影響しているとの考えを示した。丸小野議員は移動投票所の導入に関連し、高齢者や移動が困難な住民への配慮が必要であると訴えた。
さらに、農政業務に関する取り組みについても言及がなされた。議会では農道の舗装についての要望が強まり、高齢化による人手不足が影響を与えているとの意見が集約された。特に下草管理や道路の泥除去に関する問題が浮上し、農道の整備に関する予算の拡大が求められた。
また、住民の声に応じてミツマタの植樹計画も提案され、地域の観光資源としての価値が期待されている。特に竹田津地区での取り組みは地域活性化に向けた先駆的な事例として注目を集めている。
最後に、産業廃棄物の最終処分場の拡張に関する問題が提起され、環境衛生課長からは「現在水質検査には異常が見られないが、処分場が2〜3年後に満杯になる」との回答があった。協議会の反対姿勢は変わらず、今後の協議の行方が注目される。市は両者の意見を重視しながら対応を進める方針を示した。