令和3年第3回国東市議会定例会が、9月2日に国東市議会議場で開会された。市議会では、前年度の決算認定を含む39件の議案が審議される。特に、新型コロナウイルス感染症に関連する補正予算が大きな焦点となっている。
三河明史市長は、新型コロナウイルスの感染状況について傍聴者に向けて注意喚起し、特にデルタ株の影響が強まっていることに触れた。8月21日には過去最大の215名が新たに感染したことを報告し、感染防止対策を一層強化する必要性を強調した。
議案においては、令和3年度一般会計補正予算第4号が提出され、具体的には6862万5000円の増額が求められている。この予算は、主に避難所や学校、公共施設の感染予防対策に充てられるものとなっている。また、市民病院には新型コロナウイルス感染症の影響に対応するため、人工呼吸器や血球分析装置の導入資金が補正されることも取り上げられた。
また、議会の議題には2020年度の決算認定が含まれ、一般会計の歳入が289億1758万2028円、歳出が276億6692万4627円であることが報告された。この結果、歳入は13億1065万7401円の黒字となる。特に、歳入全体の収納率は97.8%に達しており、前年度比で1.7ポイントの改善をみせた。
さらに、国東市議会では、予算外議案についても審議が行われ、過疎地域持続的発展計画の策定や、圧力を受けている地方税財源の充実を求める意見書の提出がなされるなど、多岐にわたる課題が上程された。
市長は、「コロナ禍における厳しい財政状況を乗り越えるために、議員及び市民にはさらなる理解と協力が必要である」と述べ、計画的な施策の推進を誓った。今後の議会運営が市民サービスの向上へどのように寄与できるかが、注目されている。