令和元年8月8日に開催された日田市議会臨時会では、2件の重要な議案が審議された。
まず、議案第70号は新たな防災行政無線システムの整備に関するもので、高出力で高い到達性を誇るシステムが市民への情報提供をより確実かつ迅速に行うことを目的としている。市長の原田啓介氏は、約6億8,750万円で電気興業株式会社九州支店との工事請負契約を締結するため議会の賛同を求めた。新システムは、各家庭に無料で貸与されるおよそ26,000台の受信機を通じて、防災情報の伝達を行う。
原田市長は、市政運営において市民からの支援が大変重要であり、災害からの復旧と復興に向けた具体的な戦略を進めることを強調した。また、このシステムの試験運用を令和2年5月から開始する予定であり、本格運用は同年10月を予定しているという。
次に、議案第71号では、令和元年度日田市一般会計補正予算についての審議が行われ、主に国際交流事業に関するものである。具体的には、チェコ共和国ホドニン市を訪問するための費用が156万9,000円追加され、総額383億3,372万1,000円となる。この訪問は、昨年の温泉サミットを受けたもので、観光や温泉文化の交流が目的である。議論の中で、居川太城議員はワインツーリズムについて質疑し、ただし日田にはワイン産業が根付いていない点が意見に上がった。これに対し、企画振興部長の山中栄二氏は、今後の交流事業の意義とともに、県の観光戦略を踏まえたインバウンド誘致の重要性を述べた。
総務環境委員会の中野哲朗委員長は、両議案とも、委員会としては可決することに意見が一致したと報告し、各議案はその後、議決が行われ可決された。市長は、閉会の挨拶でも、新たな防災体制の強化と国際交流の推進が今後の市の政策において重要な要素であることを再確認した。