令和3年9月7日、十日町市議会の定例会において、重要な議題が取り上げられた。
まず注目を集めたのは、市政事務手続における押印の見直しについてである。関口芳史市長は、押印の原則廃止を宣言し、多くの手続きにおいて、押印が不要になる方針を示した。この取り組みは、国や県の動きに合わせたもので、行政の透明性を高め、市民の負担軽減を図るものとされている。実際、すでに一部の補助金交付関連書類では、押印を省略した運用が行われており、議会でもその迅速な対応が評価された。
次に、原子力災害における安定ヨウ素剤の備蓄状況について、鈴木規宰防災安全課長は、6,019人分の安定ヨウ素剤が市内で備蓄されていることを報告した。特に、備蓄する地域は、原発から30キロ圏内の集落で構成されており、市が迅速に配布できる体制が整えられている。安定ヨウ素剤の服用は、被曝防止のために極めて重要であり、服用のタイミングが事故発生から24時間以内であることを踏まえ、適切な手順が必要であるとの認識が強調された。さらに、配布体制の強化が求められる中、訓練の実施や体制の整備が今後の課題である。
最後に、市営バスの運行状況について、関口市長は、地域の交通空白地を生じさせない強い意志を示し、市営バスが重要な移動手段であることを再確認した。現在、市営バスは19路線を運行しており、昨年度の利用者数が9,800人増加したことは、地域のニーズに応えている好例である。しかし、今後の運営方針においては、利用者数の減少に注視し、利便性の向上を図ることが求められている。市長は、地域住民と連携しながら、運行の見直しを行う姿勢を示している。交通手段としての市営バスの重要性は改めて強調され、地域住民により多くの利便性を提供するための努力が期待される。
これらの課題に対する取り組みは、市民生活の安全と便利さを向上させるために必要不可欠である。今後の進展が期待される。