令和5年3月14日に行われた十日町市議会定例会では、明石の湯閉館問題と物価高騰による学校給食への影響について大きな議論が展開された。
この日は、富井春美議員が明石の湯閉館に関し、具体的な市民の悲痛な声を紹介しつつ、閉館の計画を見直すべきではないかと訴えた。市長の関口芳史氏は、明石の湯を現代美術館に改修する計画があることを確認した上で、その経緯や長年の議論について説明した。市長は、明石の湯が予定通り4月に閉館することを明言したが、「市民の声を聴きながら、今後の施設計画についても丁寧に検討していきたい」と述べ、議員からの市民の声への真摯な取り組みを強調した。
さらに、富井議員は物価高騰の影響を受けて、特に子育て世代への支援として学校給食の無償化を提案した。教育長の渡辺正範氏は、学校給食法に基づき食材費は保護者が負担しているが、就学援助制度により経済的に困難な家庭に対して支援を行っていると説明した。この支援制度は、令和3年度には540人の児童生徒に対して約2960万円が支給されたことを示し、今後の物価高騰の影響により給食費の値上げが避けられない状況についても言及された。
市長は、「地域経済や教育環境を守るため、市全体で支援を進める必要がある」と語ったが、施策の実現に向けて具体的な取り組みを期待する声が上がる中、無償化についてはまだ未定であることを示した。
今回の議会では、市長や教育長が市民の声に重きを置く姿勢を示した一方で、明石の湯の閉館強行や民生面での具体的支援策が求められていることも浮き彫りになった。市民の生活に直結する重要な課題だけに、議会の今後の対応が注目される。