令和3年3月10日、十日町市議会の定例会が開催され、市政に対する一般質問が行われた。
その中で、小野嶋哲雄議員は、介護保険事業における介護サービスの内容と質の向上について質問を行った。介護サービスの現状について議員は、「在宅サービス受給者は減少傾向にあり、施設サービス受給者は増加傾向にある」と指摘し、その理由について問いかけた。
これに対し、市長の関口芳史氏は、介護サービスの内容と品質に関して、今年度までの計画において特別養護老人ホーム「なの花」が新設され、入所待機者数が前年から減少した点を挙げた。また、小規模多機能型居宅介護事業所が開設されたことにより、在宅サービスの充実を図っていると説明した。
なお、介護予防の多面的な施策と当市における専門スタッフの充足状況についても尋ねられた。市長は、専門職の充足状況を確認し、さらなるリハビリテーションサービスの充実を図ることを述べた。具体的には、高齢者自立支援の取り組みで、理学療法士などの専門職の参加を促す活動を行っていると報告した。
次に、市長が考える個性を育む学校教育の課題についても質問があった。小野嶋議員は、地域と連携し、多様な考えを尊重しながら子供たちが育つ教育環境が必要だと主張した。市長は、その重要性に同意し、地域の意向を踏まえて教育環境を整備することに尽力すると述べた。
また、新年度予算案に関する具体的な議論もあり、特に地域振興に向けた人材活用や、子供たちへの支援施策が強調された。市長は強調する。「在宅介護を充実させることが、コストの抑制にも繋がる」とし、市民生活の質を高める取り組みへの予算配分を明らかにした。
質疑応答を通じ、議員たちは市の施策に対する熱心な意見と提案を交わし、コミュニティとの協力や透明性の向上において市民参加の重要性を再認識する場面が見られた。今後、十日町市がどのように市民ニーズに応え、持続可能な社会づくりに貢献するか、注目が集まる。