令和5年3月15日、十日町市議会の定例会が開催され、そこでの一般質問では、持続可能な農業や明石の湯の廃止に関する問題が取り上げられた。特に、嶋村真友子議員の一般質問においては、有機農業の推進や地域の農業振興がテーマとなり、具体的には市内の有機農家の取り組みや、学校給食における有機野菜の使用について聴かれた。
まず、市長の関口芳史氏は、市内で有機JAS認定を受けている農業者が19名おり、その生産量について説明した。また、「有機農業は環境への負担を軽減することを目的とし、国の制度に基づいて推進している」としながらも、「それだけでは難しい面があり、まずは環境保全型農業を広めていくことが重要」と強調した。
次に、明石の湯の廃止に関する議論も白熱した。滝沢貞親議員が明石の湯廃止に関わる行政手続について質問を重ねた際、市は「コロナによる影響で利用客が減少している状況」を説明。さらに、「この選択は芸術祭の拠点化を進めるためだった」とし、市民には直接説明の場を設けるべきとの意見が寄せられた。一方で、市長は「今後も中心市街地の活性化を考えて実行する」と述べた。
美術展に関しても議論が交わされた。市の資源を音文化に活用し、市民が参加しやすい場を作る方針が示されたが、会場となる段十ろうには障害者や高齢者に配慮した設計が必要だとの指摘もあった。市としても今後の運営について得られた意見を反映し、工夫をしていく考えだ。また、大地の芸術祭の経済面での影響や地域活性化の効果についても市長から説明があり、地域振興を加速させる重要なイベントであることが再確認された。
明石の湯の廃止を巡っては、利用者の声もうかがわれ、市はさらに工夫を重ねる必要があるとの意見も出た。市民の期待に応える形で、市はどのような具体的な施策を進めていくかが課題となる。
今後、議会においては、こうした意見を基にした議論が続くことが予想されている。