令和2年第1回十日町市議会定例会の第3日目が開催され、議員たちは市政に対し多面的な質問を行った。
最も注目を集めた議題の一つは、CSF(豚熱)対策についてであった。太田祐子議員は、県内の養豚場でのワクチン接種計画について質問し、関口芳史市長は、県内112か所の養豚場を対象とし、接種を実施する意向を示した。また、ワクチン入りの餌を使った野生イノシシの感染予防についても言及し、具体的な散布計画が進められているとの答弁があった。
次に、児童センターの運営状況についても質問があった。新設された児童センター「めごらんど」の利用状況について市長は、約2万9千人の来館者から好評を得ているとし、市民会館と体育館の解体後の新施設の設計についても言及した。特に、今後の屋外広場整備に関して詳しい工事計画が報告された。
また、原子力災害への対応が議論され、この問題に関して県の姿勢を問う声が上がった。議員は、具体的な避難計画についての説明を求め、緊急時の安定ヨウ素剤の配布についても不安の声が寄せられた。市長は、今後も地域住民と協力し地域医療を守るとの意向を示し、松代病院を地域の宝として維持・運営するために市として尽力する考えを明言した。
さらに、少雪環境への対応策や、建設産業における働き方改革についても質疑が交わされた。市長は市内の建設業が抱える課題に理解を示しながら、今後の対策を検討することに言及した。議員は、地域との連携による持続的な取組の重要性を強調し、地域医療の充実に向けた具体的な政策を求めた。
市議会は、このような多岐にわたる質問と答弁が展開され、十日町市の未来に向けた具体的な方針に対し様々な意見が示される会議となった。市長の姿勢に対しては、議員たちから期待が寄せられると共に、地域住民の安全・安心の保持に向けた意識の必要性が再確認された。