令和3年12月14日、佐世保市議会は第161号議案を審議し、九州・長崎特定複合観光施設区域整備計画に係る同意の件が原案通り可決された。
本議案は、長崎県が作成した区域整備計画に対する同意を求めるもので、 IR施設に関連する施策やカジノ事業の収益を活用した地域活性化が主な内容となっている。特定複合観光施設(IR)推進特別委員会委員長の市岡博道氏は、「委員会では、関連する必要な経費の捻出方法についても確認を行った」と報告した。
委員会は審査の結果、上述の施策に対して同意を得ることが必要であるとの結論に達し、賛成多数での可決に至った。対して、日本共産党の小田徳顕議員は「多くの市民がこの事業に疑問を持っている」と反対意見を表明し、「行政と市民との信頼関係が必要」と訴えた。
また、委員会ではギャンブル依存症の対策に関する質疑も活発に行われ、依存症の状況把握とその対策に関して市としても早急な対応が求められるとの声があがった。市岡氏は、「カジノ施設設置に伴う有害な影響の排除も重要」と強調し、慎重な進行を促した。
更に、予測されるカジノの入場者数や依存症の見込みについても合意が形成されず、長崎県との情報の共有が重要であるとされる。議論の末、審査結果には市民からの反発も予想されることから、透明性の確保が議会としても求められている。
最後に、副市長の山口智久氏が「退任する谷本薫治水道局長への感謝の意」を述べ、在任中の功績を称えた。谷本氏は約41年にわたる公務員生活を振り返り、佐世保市のさらなる発展を願った。市議会は年末にあたり、議員並びに市当局の健康と新年の希望を祈りつつ、定例会を閉会した。