令和6年3月定例会では、平戸市の高齢者福祉予算や、新規就農者確保について議論が展開された。
松尾実議員は高齢者福祉に関連する予算案について質疑し、特に地域社会における高齢者支援の強化を求めた。市長の黒田成彦氏は、令和6年度予算について42.13%の高齢化率を踏まえた施策を推進すると応じ、高齢者が自ら地域で暮らせる環境づくりを指摘し、具体的には介護保険料の引下げや地域包括ケアシステムの深化に向けた取り組みを明示した。
また、松尾議員は新規就農者の確保の必要性についても言及した。農林水産部長の下川隆利氏は新規就農者に対する手厚い支援体制の構築をアピールし、国の給付金との連携を強調した。特に、農業の担い手となる若者の育成が不可欠であるとの認識を示しつつ、ハウス設備の整備など資金面での支援を続けていることに言及した。
移住定住の促進についても議論が行われ、財務部長の桝田俊介氏は、移住者への補助金制度の実績を示した。令和3年度に96件、令和4年度は79件の補助実績があり、特に市職員は対象外とされている点について、今後再検討する意向を示した。特に、高齢化が進む中で、この政策が若者の定住や移住へ繋がる重要な施策であるとの認識が強調された。
議会では消防団の組織改編や自治会保険の適用範囲についても質問があり、消防団員の市職員の参加が高く評価されていることが報告された。市長は、市職員の社会貢献に対する評価を見直す必要があるとの見解を示した。
このように、地域振興や福祉の強化がテーマに織り込まれた今回の議会は、平戸市の未来に向けた考察がなされた場となった。人口減少や高齢化の進行に伴い、今後の取り組みが一層重要視されるという認識が強まり、持続可能な地域社会の構築に向けた課題解決に向けての動きが期待される。