令和元年9月12日に行われた定例会では、佐世保市における重要な課題が議論された。
まず、宮田京子議員は有害鳥獣被害対策の多角的な取り組みを提起した。
議員は「平成30年度における有害鳥獣による被害額は3,867万円で、そのうちイノシシによるものは3,507万円と約90%を占めた」と指摘。
その結果、イノシシの捕獲や防護柵の設置など、過去20年間の取り組みの全体像を確認し、予算や実績の徹底的な分析を求めた。
農林水産部長の吉田敏之氏は、「防護柵の設置は約8億3,200万円、捕獲活動にかかる経費は約6億2,000万円」と答え、捕獲の従事者数は294名に達したと報告した。
また、捕獲したイノシシは、処分方法として「焼却、埋設、加工施設処理の3通り」とし、地域の問題を解決するための具体策が話し合われた。
次に、超高齢社会に向けた生涯学習のあり方についても質疑が行われた。
宮田議員は「高齢化率が31.0%になる2025年には、介護に必要な予算も増加する」と述べ、予防策として生涯学習の重要性を強調した。
保健福祉部長の塚元勝氏は「介護予防の予算は年々増加しており、介護が必要になる前に健康寿命を延ばす施策が重要だ」と答えた。
さらに「高齢者の社会参加や役割を促すことができるよう、地域での活動が必要」との意見にも同意した。
また、旧合併地区における協定内容の検証についても議論が行われた。
旧合併特例法の適用を受けている地区の振興策が必要とされる中、合併後10年が経過し、進捗状況の確認が求められた。
企画部長の中島勝利氏は、「合併地区の一体化推進事業は順調に進んでおり、着手率は約88%となっている」と報告した。
一方、未着手の事業に関しては、「地域のニーズや事業の必要性について再検討を行い、適切に対応する」と述べ、市として対応する考えを示した。
これらの質疑により、地域の課題や政策に対する透明性と効率的な対応が求められていることが浮き彫りになった。
全体として、この定例会は、佐世保市が抱える課題に対し、具体的な施策とその進捗を確認し、今後の施策に向けた大切な議論となりました。