令和3年6月23日、佐世保市議会において、獣医師の確保とふれあい収集に関する重要な質問が行われた。議員は、行政で働く獣医師の不足の現状と、その解決策について詳しく問いただした。特に、行政獣医師の業務が多岐にわたっており、市民の安全を守るために不可欠な存在であることが強調される。
佐世保市において、現在正規職員として19名の獣医師が配置されており、その業務は狂犬病予防、食品衛生監視、家畜診療など多岐にわたる。しかし、職場における獣医師の欠員が続き、新規採用の実績も乏しいという現状が明らかにされた。市当局は新規学卒者の採用に向けた説明会を開催し、獣医学生のインターンシップ受入れにも取り組むと説明したが、実際には現在の職場に新規採用者が増えない状況もある。
続いて、行政獣医師が不足している実態について、市は「人材確保に向けた具体的な対策を示す必要がある」と認識しており、獣医師の処遇改善も必要な課題として取り上げられた。獣医師の処遇について、長崎県の獣医修学資金制度の導入によるメリットも示唆され、他自治体の成功事例を参考にする可能性がある。
次の議題では、ふれあい収集の必要性が再確認された。特に、収集が困難な高齢者への支援が求められ、かつてのモデル事業の成果を分析しながら、市全体的な実施を提案する声も挙がった。昨年のアンケート調査によると、市内の高齢者の多くが収集サービスを必要としていることがわかり、当局に対して行政サービスの拡充を求める意見が強まった。
当局は、「現在は特定の地域でモデル事業を行っているが、全市的な取り組みに向けた整備が必要」との姿勢を示した。しかし、コストや人員体制の面でクリアすべき課題があることも明らかだった。議員は、これらのサービスは速やかに展開されるべきだと強く主張した。今後の取組として、獣医師確保やふれあい収集が市民の安全・安心を守るために重要であるとの認識を持ち続け、それを基にした施策の推進が期待される。