佐世保市は、健康増進を推進するためにがん検診の受診率向上を課題としている。近年、がん検診の受診率は低下気味であり、特に新型コロナウイルスの影響が懸念されている。厚生労働省のデータによると、全国的にがん診断数が増加している中、佐世保市内では受診率が回復しきれていない。このため、関係者の協力の下、受診機会の拡充を急ぐ必要がある。
市は、がん検診受診率向上に向けた具体的な施策として、郵送による個別通知、広報させぼや民間情報誌での案内、また集団健診の機会拡充を行っている。特に、新型コロナウイルス下での受診勧奨用リーフレットの取り扱いなどが重要とされており、市はその積極的な利用を検討中である。今後も、個別通知や受診勧奨施策を強化し、受診者の意識向上を図る。
続いて、子宮頸がんワクチンについては、国が積極的勧奨を再開したが、この機会を活かし対象者に対する個別通知を行うことが急務である。市は、対象年齢の女子児童生徒へ郵送で通知を送信し、より多くの接種を促す考えだ。また、ワクチン接種の認知度向上を図るため、広報活動も強化される予定である。
一方、アピアランスケア助成についての要望が高まっており、特に医療用ウィッグや補整下着への助成が求められている。市もこの重要性を認識し、来年度の予算編成に向け、支援の対象を具体化する考えを示している。
犯罪被害者支援については、条例の施行から5年が経過し、事務的な支援体制の整備が求められている。犯罪被害者等への支援が実効性を持つためには、情報提供やケースに応じた長期にわたる支援が必要である。このため、相談体制の強化や関係機関との連携が要され、実効性を高めるべく市民相談室が中心となって取り組む。
最後に、地域公共交通については、バス運行の減便が市民生活に与える影響が大きく、市は運転士の採用や経営状況を改善する必要があると認識している。田園地域での交通の維持が求められる中、地域全体での統合的な交通政策の構築が重要となっている。今後、公共交通の持続可能性を高めるため、地域住民とともに検討を重ねることが必要となる。