令和元年12月12日に開催された佐世保市の定例会では、主要なアジェンダとして一般質問と第248号議案についての討議が行われた。これには、市民の生活に密接に関連する教育や地域振興、福祉に関する重要なテーマが取り上げられた。特に、佐世保市まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する議論が注目を集めた。
草津俊比古議員は、人口減少問題に対しての地域の取り組みについて具体的な成果を挙げながら、特に結婚・出産に関する指標が低調である点を指摘し、今後の戦略に対する見直しが必要だと述べた。佐世保市の人口減少とその対策について、これまでの施策が対症療法的であるという意見もあり、より構造的な問題解決を求める声が高まった。
市当局は、地域のトレンドを捉えつつ、官民連携を通じて持続的な発展を目指している方針を示した。特に、観光業や地域の産業振興を通じて経済を活性化することが期待されている。加えて、若年層の移住促進については、「させぼ移住サポートデスク」の活用によって推進する方針が示された。
また、読書活動の充実については、前述の「読書大好き佐世保っ子プラン」に基づいて、学校図書ボランティアや司書教諭の役割が強調された。具体的には、貸し出し冊数のデータから読書活動が進展していることが示されたが、読書環境の整備とともに、実際に本を手に取る機会を増やすための施策強化が求められた。
草津議員は、教育の現場における読書活動の重要性を再確認し、次期計画の策定にあたっては、読書の楽しさを伝える工夫が必要であるとし、学校司書の役割の重要性を訴えた。
石木ダム建設についても議論があった。担当者は、ダムの必要性については調査や判決に基づく証拠が揃っていると説明したが、事業の進行が長引いている現状については、多くの利害関係者に配慮しつつ進める必要があるとの認識を示した。住民の理解を得ることが引き続き必要であると認識を示し、今後も行政としてできる限りの努力を重ねることが強調された。
議論の中で強調されたのは、「二度と渇水を経験させたくない」という市民の声が根底にあることである。石木ダムは地域の水源不足を解決する重要な施設であるとの認識が共有された。