令和3年9月17日に開催された佐世保市議会の定例会では、地域の重要な課題に関する一般質問が行われ、特にがん対策や防災計画の見直しが焦点となった。
市民の健康を守る上で、がん対策は喫緊の課題として提起された。公明党の佐藤文子議員は子宮頸がん対策の推進を訴え、HPVワクチンの接種勧奨の重要性を指摘した。特に、定期接種対象者への再通知が行われない現状に対し、早急な対応を求めた。
野村成人保健福祉部長はHPVワクチンに関する市の取り組みを説明。ただし、高校1年生相当への再通知については、現時点では予定していないことが示された。記者会見での彼の発言では「国が勧奨をせず、個別通知も接種勧奨と捉えられる恐れがある」と語った。
次に佐藤議員は、乳がん検診の普及促進についても言及。日本での乳がん患者数は年々増加しており、治療の成否が早期発見にかかっていることから、検診率の向上は喫緊の課題である。市では2000年代初頭から実施しているマンモグラフィー検診の受診率が特に低い現状がある影響を考慮すると、他の検査方法との組み合わせが必要だと述べた。
さらに、地域防災計画についても再考が求められた。佐藤議員は、特に女性やその家族の視点が欠けているとし、避難行動要支援者への配慮が不足していることを指摘。中尾和章防災危機管理局長は、女性の地域防災会議参加比率が低い現状を認識しているが、今後の施策に生かすため、具体的な改善策を模索すると述べた。
DV被害者支援に関する議論も行われ、特にコロナ禍での増加傾向が指摘された。佐藤議員は、支援体制の整備に向けた具体的な対策を要求したが、市としての明確な方針は示されなかった。